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痛みについて考えるブログ

痛み改善のヒントをお伝えしていきます

膝の痛みには運動を避けるべき?正しい運動の仕方

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膝に痛みがある患者さんから「運動のためにウォーキングしています!」「がんばって1万歩歩きました!」という声を聞きました。結論から言うと変形性膝関節症による膝の痛みがある場合、積極的なウォーキングはしないで下さい!

これ言うとみなさんびっくりされます。せっかく頑張って歩いたのに…。頑張る方法が間違っていたんです…。なぜなら歩き方が悪いために膝に負担がかかっている人がほとんどだからです。歩けば歩くほど、膝に負担がかかり軟骨の破壊が進みます。正しい歩き方に近づけるために筋力トレーニングやストレッチが大事なんです。

 なぜ膝が痛くなるの?【変形性膝関節症とは】

変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減ることで痛みます。遺伝や事故などの外傷によって起こる場合もありますが、姿勢が悪い→O脚→変形性膝関節症になる場合がほとんどです。

通常、膝の関節面は軟骨で守られているので体重がのっても痛みませんが、O脚になると膝の内側に体重が集中し内側の軟骨がすり減ってしまいます。軟骨がすり減ると骨が剥き出しになり、骨と骨が当たることで痛みます。すり減った軟骨は基本的には再生せず、ひどい場合には人工膝関節の手術が必要になります。

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O脚はウォーキングによって膝を使い過ぎて痛みがひどくなるので、まずはO脚を直す運動が必要です。サプリメントで膝の軟骨の再生を助けると言われていますがその効果についてはこちらの記事に書いていますので参照下さい。

 膝に負担がかかる原因【体がフラつくから】

バランスをとる筋力(体幹・お尻の筋肉)が弱かったり、関節が硬かったりすると姿勢が崩れて膝に負担がかかります。膝に痛みがある人の歩き方はほとんど共通していて、左右にフラフラしています。左右にフラつくと、膝が外側に動揺し膝の内側に体重がのります。このフラついた歩き方の原因として以下の事が考えられます。

体幹・股関節の筋力が弱い

正常であれば歩行時は骨盤を水平に保つ事ができます。歩行時にフラつく人は骨盤が安定せず、外側へ重心移動が起こり膝の内側に力がかかります(写真中央)。これは体幹筋と中殿筋と呼ばれる股関節の筋力が低下することで骨盤を水平に保てずフラついた歩き方になってしまいます。

体幹・股関節の筋力が低下しているかどうか、簡単なチェック方法があります。鏡の前で片脚立ちをして確認して下さい。写真右側のように体幹を傾けて脚を持ち上げていませんか?その場合は体幹・股関節の筋力低下があり、歩行時には写真中央のような姿勢になると考えられます。

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ふくらはぎの筋肉が固い

歩く時にふくらはぎが固いとつま先に体重をかけることができないため、代償として足部が外側を向いてきます。足部が外を向くと膝が外側に向いてくるためO脚になりやすくなります。

もしくは足部が外を向くと膝が内側に位置するため膝が捻じれたようになり、膝に負担がかかります。ただし人の動きは複雑で、股関節の影響も受ける場合があり単純に足部だけの影響とは限りません。個人差もあるので個別での詳細な評価が必要となります。

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歩き方を改善するための運動方法

主には体幹・股関節の筋力強化とふくらはぎの柔軟性の改善が必要です。ただ先ほどにも言いましたが、個人差があるのであくまでも一例です。なおこれ以外にも運動方法がありますが、別の機会に紹介していきます。

体幹筋力トレーニン

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ドローイン(写真左)

ドローインは腹横筋と腹斜筋を鍛えます。

難しい人は腰を丸くするイメージで行うと力の入れ方がわかりやすいです。また腰骨のすぐ上の隙間に手を入れて腰で押すようにするとお腹に力を入れやすいです。

・お腹を凹ませてお腹に力が入るのを意識する

・息を止めずに呼吸をしながら行う(鼻呼吸が良い)

・10秒維持×10回

プランク(写真右)

腹筋全体を鍛えます。結構きついので難しい人は膝をついてやってみましょう。

・肘とつま先で支え、腹部~膝を床から離す

・腰が反らないように体幹がまっすぐであることを意識する

・お腹を凹ますようにすると腰が反りにくい

・1~2分間維持(最初は30秒維持を目標に)

中殿筋トレーニン

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バランスを保つために必要な中殿筋を鍛えます。中殿筋は、大殿筋の深層・股関節の外側に付いている筋肉です。主に股関節を外に開く、体重を支える働きがあります。

・横向きで寝る

・後ろに向かって脚を挙げる *骨盤が後方へ倒れないように注意

・10回×3セット(慣れてきたら30回×3セット)

股関節内転筋群トレーニン

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股関節を内側に動かす筋肉です。膝の内側まで付いているので膝を安定させます。
・バスタオルを丸めて(もしくはクッション)膝に挟む

・内ももに力が入るようにタオルをつぶす

・10秒維持×10セット

股関節外旋筋ストレッチ

股関節を外に向ける筋肉を外旋筋と言います。股関節から膝にかけて付いているので、ここが硬いと膝も外に向きやすいです。硬い人は写真左のように反対の膝を伸ばしてやりましょう。慣れてきたら右のように膝を曲げてやってみましょう。

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・脚を組んで膝を胸へ寄せる *腰は捻らないように正面を向いていること

・左右1分×3セット

・写真では右のお尻の外側を伸ばしている 

ふくらはぎストレッチ

ふくらはぎの筋肉はたくさんありますが、腓腹筋という筋肉は踵部をアキレス腱として膝の裏側まで付いています。主に足部を下に向ける、地面を蹴る働きがあります。

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・後ろ足のつま先をまっすぐにし、ふくらはぎを伸ばす

・20秒×3セット

・膝の裏側まで伸びる感覚があること

・イスの背もたれや机、壁などで支えながら行うと良い

 

整形外科にかかっているけど良くならないのはなぜ?

痛み止めの薬や湿布、物理療法や膝に溜まった水を抜くだけでは良くなりません。痛みは引くことがありますが、それは一旦落ち着いているだけで根本的な治癒ではありません。歩く姿勢が良くない限り、膝への負担は常にかかっています。もちろん、歩く姿勢はすぐには良くならないので、痛み止めなど上手に併用していきながらリハビリや体操を続ける事が大切です。

整形外科に通う場合、理学療法士によるリハビリテーションを行っている整形外科を選ぶと良いと思います。

膝の水はなぜ溜まる?水を抜くのはクセになる?

膝関節は靭帯性の袋で包まれていて、これを関節包といいます。関節包の中は関節の動きを潤滑にする関節液で満たされています。関節液は軟骨にも栄養を送る重要な働きがあります。

膝に負担がかかると軟骨や膝関節内に傷ができ炎症が起きますが、この炎症による産物がいわゆる「膝の水」です。水が溜まった場合、膝の曲げ伸ばしが悪くなったり、膝に悪い影響を与えることがあります。

関節内に炎症が起こり炎症性サイトカニンが放出されると膝の水となって貯まり、軟骨の変性を起こしてしまうのです。つまり膝の水を貯まったままにすると軟骨の破壊が進んでしまいます。

膝の水を抜くとクセになるというウワサがありますがこれは間違いであり、どんどん抜いてもらう必要があります。ただ、繰り返しになりますが、歩き方が悪いとまた膝に負担がかかり水が貯まるので、歩く姿勢を直さないと根本的には良くなりません。 

 

少しでも膝が痛いなと感じたら、日々の姿勢で負担がかかっている可能性があります。「なぜO脚になってしまうのか」その原因を治さないとさらにO脚になってしまいます。何事も必ず原因と結果には法則があるので原因を治していきましょう。膝の形や歩行の姿勢をチェックしてもらうとよいかと思います。